時代とともに浮き沈む!?釣り人口の遷移

日本の人口は2016年の統計で約1億2600万人といわれているのに、そのうちかつて潜在的需要が3000万人もいたといわれていた巨大なレジャー産業市場が近年影を落とし始めているらしい。

3000万人もいたといわれていた、時は1990年代初頭。単純に今の人口で計算しても日本人の約4分の1の人が楽しんでいた計算になる。

お父さんの男の趣味としてもっともステイタス性の高かったゴルフはグッズ販売はもちろん、ゴルフ場関連の施設の会員権など「お金持ちの代名詞」的だったステイタスだったものが軒並み減少傾向にある。

それ以外でも最も1990年代後半に一気に需要が伸びてきた市場があった。それはずばり「釣り」であった。その釣り人口たるや1990年代後半をピークに2,000万人を突破する勢いだった。 このころに起こった空前のアウトドアブームに乗っかって、釣りといってもブラックバスなどを狙うルアー(疑似餌)をつかったゲームフィッシングが流行した。

そんな一時代を博したかつてのゴルフや釣りも2000年に入ってからはずっと減少傾向にある。

その要因は2009年ごろから一気に伸びはじめた登山やハイキングなどの環境に沿った自然を楽しむレジャーが流行りはじめたことが大きな要因になっていました。それと並行して伸びてきていたのが、国内および海外への旅行の需要。長期休暇には近場でアウトドアよりも思いきってお金をはたき旅行で癒されるのが好まれるのだろうか。

登山やハイキングはそれほどお金もかけずに自然と触れ合い達成感や爽快感を味わえるのに、以前から自然環境を壊す可能性が指摘されていたルアーを使ったゲームフィッシングや土地整備が必要なゴルフなどと大きく違い自然を壊さないことが大きな要因になっていると思われる。

その一方で大きく伸び悩む釣り人口にはいささか驚かされる。

2015年版のレジャー白書によると、2006年をピークに徐々に減少しはじめて2013年~2014年にかけては、たった1年で100万人も減少している。

「釣りガール」など女性を取り込んだ釣りの大手メーカーが行った需要拡大路線も、一部の本当の釣り好きには当たったかもしれないけれど結局は新規獲得には程遠く減少していく道をたどってしまった。

その原因はさまざまな要因が重なって陥ったといえる。1990年代後半から2000年代初頭に伸びだしたものの、そのころ2001年に発生した同時多発テロの影響で「SOLAS条約」が施行され港湾部の多くの釣り場が 立ち入り禁止となり、ポイントを奪っていった。

またゲーム性の強い釣りの流行するきっかけになったブラックバスフィッシング界では、ターゲットとなる魚自体が「特定外来生物」に指定され世間的にダークなイメージがつきまとうことになったことが非常に大きい。昔からいた釣り(エサ釣り師)とのトラブルも絶えることなく、ルアーマンで飽和状態に陥った各地方の一級ポイントは魚がスレてしまう(ルアーに反応しなくなる)場所が増えてほぼ壊滅状態となってしまった場所さえある。

時代が生み、また時代とともに消えゆくものがあるのなら昔から元々あった魚釣りはなくならないのか。釣りファンのひとりとして心配である。