シーバスがルアーのターゲットとして出てきたのはあの魚が起因している

1990年代初頭から流行し始めた空前のアウトドアブームで一気に火が付いた「ゲームフィッシング」という新しいジャンルの釣りに傾倒したブラックバスフィッシング。芸能人の元SMAPの木村拓哉や俳優の反町隆史らが熱中している趣味としてテレビ番組で話したことから注目度はさらに高まり国内で素早い広がりを見せた。

それまで釣りなどとは無縁だったひとまで興味を持ち始め一気に広がっていた。そのころまでに、日本伝統の鮒師とよばれるフナ釣りの名手やアユの友釣りなど日本古来から伝わる釣り方もあったにも関わらず、それらを抑えて広まりを見せた。その背景にはアメリカ生まれのバスフィッシングが若者たちにとってあまりにも魅力的だったことに起因する。同じ淡水魚の世界でも日本のアユやフナ釣りのような地味なイメージはなく。どちらかというとカッコイイアウトドアの印象のほうが根強い。

だがしかし、一時代を築きあげたブラックバスのゲームフィッシングはほかの釣りと違いそう長くは続かなかった…。ルアーという疑似餌を使う釣りでそれらが水底に落ちてしまった場合、プラスチックやゴムでできた疑似餌はそのまま水中の中に残り環境汚染が問題視されるようになってきた。 一過性のブームだけで流行りものに手を出した程度ではじめた人も少なくなく、そういった人たちは元々「格好の良い趣味」としてはじめただけの人で、釣りのマナーやルールも知らずにほかのアングラーとのトラブルが絶えず釣師の間でもルアーフィッシャーマンは敬遠される的になってしまった。

そこに追い打ちをかけるように出てきたのが2005年に施工された"特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律"だった。ブラックバスが特定外来種に指定されたため一気にバスフィッシングにダークなイメージがついてしまったためバス釣り離れに拍車をかけた。

それでもちゃんとマナーやルールを守りルアー釣りをしていた(本当にルアー釣りを愛し楽しんできたアングラー)たちももちろん少数派ながら いたわけでそのひとたちが新たな釣り場を求めて開拓したのがシーバスであった。池や湖、沼ではなく川に出て、ルアーで釣るシーバス=海水にいるスズキをターゲットにした釣りである。

フィールド(釣り場)も多く、もっと身近な場所で釣れるターゲットであることから一時期のブラックバスが減り始めてもなお人気の釣りターゲットとして若年層から釣りを知りつくした中高年層まで人気がある。シーバス釣りにはこうした歴史背景があったのである。